ボクは今でこそVOD(ビデオ・オン・デマンド)の愛用者で、映画やドラマを見るときはHuluやDMM見放題chライトなどを利用しているのですが、それまでは普通にTSUTAYAを利用していました。
週に1、2本ほど旧作のDVDをレンタルして、それを暇な日とか、寝る前とかにゆっくり消化してました。もともとあまり娯楽にお金をかけたくない人間だったので、新作は借りず、100円で借りられる作品を主に選んでました。で、よく延滞もしてました。
こんなのわかりきったことだし、「お前が言うな」って感じですが延滞って、お店からしたらとても迷惑な行為ですよね。本来そこにあるはずの商品がなくなるわけだし、その商品が生み出してくれるはずだった収益も生まれなくなるわけだし。
でも、延滞がとても迷惑な行為であるってことがわかっていても、やっぱレンタルビデオショップの延滞料金って高いですよね。具体的にどれくらい高いかっていうと、たとえばTSUTAYAの場合、DVDなら1日で200円(旧作でも)の延滞料金が発生する。マキシシングルは80円、で、アルバムは100円。まあ、シングルとアルバムの値段はそうでもないけど、DVDは高いですよね。旧作を1日返し忘れたら2回借りる分の料金が発生してしまうわけですし。
これって冷静に考えるとなかなかの価格設定ですよね。だって、旧作DVDを1週間借りるのにかかるお金が100円。再度言うけど、一週間で100円です。にもかかわらず、延滞料金は、1日で200円発生する。1週間延滞すると、普通に借りる場合の14倍のお金がかかるってこと。巷でよく「TSUTAYAの延滞料金はぼったくりだ」「TSUTAYAは延滞ビジネスで稼いでる」なんてなんて言われちゃうのも仕方ないですよね。
TSUTAYAを始めとするレンタルビデオサービスは、実際のところ、その延滞料金の徴収が主な収入源になっているという話も聞いたことがあります。まあ、企業側にはそういう意図がなかったとしても、14倍の値段を課してるならそれが一番の収入源になるのも当然です。
延滞をする人が店にとって迷惑なのは紛れもない事実だけど、そういう人たちが店の一番売り上げに貢献しているってのも事実。まったく皮肉な話ですね。
TSUTAYAの延滞料金を払いたくないからHuluに逃げた。
上にも書いた通り、ボクはTSUTAYAを利用していた時よく延滞をしてました。でも、ボクにだって最低限のモラルはあるから、延滞料金の支払いはすぐにちゃんと行なってました。受付のお姉さんも可愛かったですしね。高いなあ、とは思っていたけれど、でも自分で蒔いた種はしっかり摘むようにしてました。
ただ、ある時ボクは、一時的にだけれど、その最低限のモラルさえ手放してクズに成り下がったことがありました。もっと具体的に言うと、五本くらいDVDを一気に借りて、それを一週間くらい延滞して、しかも延滞料金を支払わずにしばらく放置したことがありました。
支払いをしなかった理由は、単純。自分が生み出した延滞料金のあまりの高さにびびってしまったんです。正確な額は覚えないけれど、具体的には、7,000円くらいだったと思います。200円 × 5本 × 7日間。店頭でその額を言われたときは焦った。まさかそんなことになっているだろうとは思ってなかったんですからね。焦りに焦ったボクはこんなことを言って店を去りました。
「あ、今もちあわせがなくて」
実際には、財布の中に双子の諭吉がいたんですけどね。でも、7,000円もの額を、たかだか延滞料金ごときで払ってたまるかって思った。その時のボクの頭には自分が悪いって考えは多分なくて、自業自得なのになんでそんな馬鹿高い金を払わなければいけないんだ、ぼったくりだ、とか逆ギレしていた。その時のボクはとんでもないやつでした。
で、そのまま延滞料金を払わず(もちろんTSUTAYAも利用せず)、一ヶ月くらいの時が流れた。
ボクが動画配信サービスのHuluを知り、それに登録したのは、その一ヶ月の中ででした。いつも髪を切ってもらっている美容師さんが利用者で、勧められたのです。たしかこんな風に。
「え、7,000円とかぼったくりじゃないですかー。もうTSUTAYAなんかほっといてHulu使えばいいじゃないですかー。私だって延滞料金払ってないですよー」
その美容師さんも今思えばなかなかのクズだけれど、その時はボクもどうしようもないクズで、TSUTAYAに対して謎の逆ギレ中だったから、彼女の甘い誘惑に(実際甘い香りがする人だった)に簡単に誘われてクズの領域に脚を踏み入れてしまった。
TSUTAYAに延滞料金を払う気はさらさらなかったけれど、映画やドラマを見たいという気持ちはありましたからね。たった1,000円で見放題ってHuluすごくいいじゃん。ボクはこういうサービスを利用するのは初めてだったので、いささか不安はあったけれど、最初の2週間は無料でその期間中にやめればいっさい料金がかからないというので、物は試しとひとまず登録してみました。
Huluは1,000円で動画が見放題ができるというサービスだから、TSUTAYAみたいにものすごい数のコンテンツが用意されているというわけではありません。まあこれは、普通に考えれば当然ですね。もし1,000円でTSUTAYAにある全作品が見られたら、誰もTSUTAYAなんか使わなくなりますし。だからコンテンツ的な面では、Huluはレンタルビデオサービスには劣っています。それは紛れもない事実です。
でも。
一歩も家に出ることなく見たい映画やドラマを用意でき、なおかつ、いくら見ても1,000円以上にならないというのは、レンタルにはない魅力でした。そして何より、延滞という概念が存在しないから、延滞料金とも無縁でした。現在進行形で7,000円の呪いに悩まされているボクは、それだけでヒャッハーだ。「HuluがあるからTSUTAYAなんかなくてもいいや!」と開き直った気分になったものです。
たしか3年前の出来事です。
いま、延滞料金のことで悩んでいる人は、自分のモラルときちんと相談しましょう。
ボクは3年前にHuluと出会いました。そのサービスを今でも使い続けているかと問われれば、もちろん首を縦に振る。Huluは今のボクにとっては欠かせない存在だ。一日一回は、ドラマなり映画なりを流す。そんなペースで利用しています。
では、TSUTAYAの延滞料金はまだ払わずにいるのかというと、そんなことはない。結局ボクは、あのあとすぐに延滞料金を支払った。それは、別にTSUTAYAが日常から欠損していることが不自由だったからじゃありません。モラルの問題です。一度は開き直って延滞料金を踏み倒そうと考えたボクにも、最低限のモラルはあったらしい。
最初はTSUTAYAに対する反感の方が大きかったけれど、時間が経つにつれそれは小さくなり、代わりに罪悪感の方が大きくなっていきました。そして最終的に、延滞料金を支払うにいたった。ちゃんと払い終えてみると、すごく心が軽くなった。
もしかすると、この記事を読んでいる人の中には、現在進行形で延滞料金のことで悩んでいる人がいるかもしれない。ボクは上に書いた通り一度は開き直った身だから、延滞料金をばっくれようとする人を強く否定することはできません。でも、やっぱりおすすめはしない。これからその選択肢を取ろうとしているのであれば、その前に一度自分のモラルと相談してみるべきです。
それでやっぱり払わない道を選ぶのであれば、ボクとしてはもう何も言うことはありません。それは、その人の決断だし、その人の人生ですからね。ボクみたいな他人が何か言ったところで気は変わらないでしょうし。
ひとまずHuluを使ってみてから考える。
上にも書いた通り、ボクは一度はTSUTAYAの延滞料金をばっくれようとしました。払わなければいけないものを無視してHuluでその穴を埋めようとしました。でも最終的には、延滞料金をちゃんと返済してサービスを再開した。ブラックリスト入りになっちゃってるかもしれないけど、今は普通にTSUTAYAを利用できる状態になっています。
延滞料金を払うか払わないかで迷っている人は、ひとまずHuluとかその手のサービスに登録してみてから考えるっていうのも、ありかもしれません。もしかすると、ボクみたいに実際に利用しているうちに「払わなければ」って気持ちが生まれてくる可能性もあります。
実際にHuluを使ってみると、それがTSUTAYAの代替品になりうるかどうかの検討もできるわけですからね。ボクはあまり感じなかったけれど、実際にHuluを使ってみるとコンテンツ量に物足りなさを感じる場合があるかもしれません。物足りなさ感じた人は、素直に延滞料金を払って、レンタルサービスを再開させるべきでしょう。
さて。
Huluは幸い、登録して最初の2週間は無料になります。これはHuluの使用感を知るにはもってこいです。もちろんその期間中にやめれば料金は一円も発生しません。普通の会員と同じように動画をたくさん見まくることができます。
一応、公式サイトへのバナーを貼っておきます。
何度も言いますが、ボクは延滞料金を払わない道を推奨しているわけじゃありません。もし多少遅れてでも延滞料金を払うのであれば、やはりそれに越したことはないし、そうなることを願っています。うん、本当に。